肩を動かす際に肩甲骨の一部である肩峰や周辺の骨が、腱や滑液包と衝突することで炎症や痛みが生じる疾患です。主な原因は、肩の過度の使用や、長期間の繰り返し動作により、肩関節周囲の組織が狭くなり、摩擦が増加することです。特に腕を上げたり、頭上で作業を行うスポーツ(野球。テニス、水泳など)、や職業的な負荷がかかる人に多くみられます。また、加齢による腱や軟部組織の変性も一因となり、筋力低下や不良姿勢がさらなる悪化を招きます。これにより、肩の内部で腱板が慢性的に損傷し、痛みや炎症が発生します。 |
肩インピンジメント症候群の主な症状は、肩を動かした際に生じる鋭い痛みです。特に腕を上げたり、背中に手を回す動作で痛みが強くなります。最初は軽度な痛みから始まりますが、進行すると安静時にも肩の自発痛や夜間痛がみられるようになってきます。肩を動かす範囲が制限され、、特に腕を90度以上上げる動作(外転動作、屈曲動作)が困難になることが特徴です。また、肩に力が入らず、物を持ち上げる際に筋力低下を感じることもあります。これらの症状が続くと、腱板の損傷や肩関節の可動域制限がさらに悪化するリスクが高まります。 |