腰椎一つ一つの関節を構成している椎間関節の椎弓部が割れてしまう(分離する)ことによって、前後に離れてしまう状態を"腰椎分離症"といい、さらに椎骨が前方に滑ってしまう状態を"腰椎すべり症"といいます。
すべり症には先天的な骨形成に問題がある"形成不全性すべり症"、成長過程の10代の子供の激しい運動で起こる"分離すべり症"、閉経後のホルモンバランスの異常によって骨の変性が起こる"変性すべり症"の3タイプに分類されます。
手術などを要する重症例は"変性すべり症"に多く、神経の圧迫を解放させる"除圧術"や腰椎にスクリューを差し込み、正常な椎骨とつなぎとめる"腰椎固定術"が代表的なものとなります。 |
学生のスポーツでまず最初に疑うのはこの疾患となります。腰椎が分離することで連結する周囲の腰椎とのつながりが不安定になる為、腰を後ろへ反らせたり、長時間立位での作業で腰や臀部、大腿部に痛みや痺れなどが出現します。しかし腰椎が分離していても必ず症状が出るわけではなく無症状のままスポーツを続けている方もいます。
分離症の症状を放置して安定性が完全に失われた状態を"腰椎分離すべり症"といいます。進行したこの状態では、長時間の歩行で腰や足に痛みと痺れが出やすく、少し休むと軽減する"間欠性跛行"といった症状が出ることもあります。
基本的にはコルセット着用で、運動の休止となりますが、重症化すると腰椎の固定術なども検討されると思います。
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